ライターズ・ブロック

http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004283.html
わたしは、創造性の必要な文書はほとんど書かないのだけど、恥ずかしながらライターズ・ブロックにはよく陥る。常習といってもいい。
それは、おそらく書くための準備が十分にできていないからではないかと思ったりしている。材料がまだじゅうぶんに揃ってない時もあるし、文書の流れ・構成・こうすればうまく理解してもらえるだろうという流れをうまく作れていない時もある。書きたいパーツが多すぎて、予定の長さにおさまらず、どう刈り込んでいくのか方針が決まらない時もある。こういう時は、庭木を前に数年後の成長を考えながら剪定をする時の気分に似ている。文章なので何度でもやり直すことができるのだけど、実際のところは一発勝負で刈ってしまった枝はもとにはもどらない。何で戻らないのかわからないのだけど、これは戻らないのだから仕方がない。きっと同じ労力を再度かけるには、一定の冷却期間、脳内で作られたその流れが忘れ去られるための時間が必要だからだろう。
一方、準備とは無関係に、一度書き始めると、そちらの動きのほうのエネルギーでどんどん先へ進む場合もある。マラソンみたいなものだ。ライターズ・ハイというのは、この状態を指すのではないかと思う。〆切前は、こういう力に頼ってしまう事が多い。血糖値を上げておいて、脳に十分なガソリンを注入し、あとはエンジンがかかるのを待つ。ひたすら待つ。残念ながら、スターターは意識が握っているわけではないがつらいところだ。こちらも、ライターズ・ブロックと言えるだろう。一度エンジンがかかってしまうと、最大の恐怖は中断である。トイレに行くだけでも、エンジンが止まってしまうかもしれない。TVやネットで気を散らされることも怖い。食事を取るのは論外だ。脳に血が行かなくなって100%停止してしまう。この状態は、定着してしまうとエンジンがかかりやすくなったり、止まらなくなったりする。実は、月曜に原稿を出したので、今はエンジンがかかりやすい状態になっている。なので、昨夜もPagesを起動して、過去の記事を再レイアウトしながら、これは気に入らないから全面的にリライトしないとダメだなとか、リライトするパワーは残ってないからとりあえずこのまま出すかな、とか考えてしまったりする。実は、この文章をだらだらと書いてしまうのもその影響だ。
前者は前頭葉側で、後者は側頭葉側で起こっていることなんだろうと思っている。