移行可能なデスクトップは13%

Linuxはオフィスで使えるか」?? 産総研,実験1年目の課題と期待
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20040524/144701/
報告書では、無理矢理2割にしているようだけど、実数ベースだと13%になる。これは少ない。具体的実証実験プロセスに入るには、30%程度の規模でないと意味が薄いのではないだろうか。
フォントはこのプロジェクトで買収した商用フォントで構築されていると思うので、品質面でのクレームは出なかったようだ。
プリンタ対応については、予想通り出て来ている。かなりのプリンタが調整次第では動くと思うのだが、そこまで突っ込んだ事はしていないようだ。また、動いたとしてもオリジナルのイメージに近い出力が得られるかどうかは難しいだろう。これは、ペーパーレス、ワークフロー化などの事務の変更で乗り切るしかないだろう。
ブラウザの JavaScript の非互換が上がったのがちょっと予想外だった。Web ベースの業務アプリで入力のチェックなどに使っているのだろうか?
アプリケーションマクロが意外に使われているようだ。どこの会社にもマクロ好きがいるもので、そういう人がベース帳票を作ると見栄えを自動でそろえてくれるものの例外を考慮していない縛りに苦しむフォームが産まれてしまう。データは紙で出しているのなら、データとして一括処理しているので内容の統一が必要というわけではなく、結局人が見るだけに終わるので、そんなのどうでもいいじゃないのかと思うのだけど。VBA をコンバートする仕組みも持つ必要があるのだろうか。
グループウエアについてのコメントが特にないのだけど、組織的にそのようなツールが必要とならない特殊な環境であるのか。だとすると実証実験のターゲットとしてはあまり適切ではないだろう。それとも、Web ベースのものを利用しているのだろうか。印刷フォーマットについての言及が多いということは、おそらくドキュメントについてはワークフロー管理されていないのだろう。これは中堅以上の会社ではありえない事だ。10年以上前のオフィスって感じか。
導入のモデルケースとして本当に適切かどうかという部分が見えて来たようだ。システムの変更には、過去の互換性は捨てなければならないのは、どのような場合でも同じリスクが付いて来るものだ。そのあたりの評価もなんらかの形で取り組んでほしい。現状の移行ではなく、オフィスのワークフローを見直す再構築でないと、使う側は誰も歓迎しないだろう。
プロジェクトがバッドノウハウのデータ蓄積に終わらないことを願いたい。
オープンソースデスクトップ導入実証実験 http://unit.aist.go.jp/it/gits/linuxing/