開発コミュニティの社会的責任

yoshioka さんの日記より
http://d.hatena.ne.jp/hyoshiok/20040927
最近思うのは、開発者コミュニティと利用者コミュニティがあって、さらにその間にインテグレータ層と商用ディベロッパ層がふくらんできていること。
インテグレータ層は、あるときは利用者としてソリューション構築の部品として OSS を利用し、利用者に提供する。ある時はリソースを投入して OSS に手を入れる商用ディベロッパ層になることもあるが稀。でも、こういう層がコア開発者を雇用して開発の時間と資金を確保している例もある。
商用ディベロッパ層の代表の1つはディストリビューション提供者。でもそうでない特定のソフトウエアに対して商用ディベロッパになる層がある。開発者コミュニティが会社として組織化されて、開発レベルで安定したサービスを提供しはじめている。 この層がインテグレータ層の機能を含むこともある。sendmail, Zend(PHP), MySQL, Zope とかはその代表格だ。Netscape/AOL はこの立場からは失敗例なのかもしれない。
あとは、以前からの自前のソフトウエアを OSS にして、開発者コミュニティと利用者コミュニティを引き付けて地位を拡大しようという戦略を取り、新しく商用ディベロッパ層に参入するところもある。
OSS の dependability を保証するのは、商用ディベロッパ層やインテグレーション層の仕事だ。
OSS の中にも、開発者と一言ではくくれない層があって、開発者=利用者だった時代から、開発者と利用者に別れたように、さらに細分化が進んでいる。
なので、従来の開発者コミュニティの枠組で dependability を議論することは、あまり意味がないのではないかな。
もし議論を進めるとしたら、有望なソフトウエアを核にした商用ディベロッパ層を育てるとか、ソリューション層にタダ乗りじゃない方向性を持たせるという感じではないか。
ちょっと作家を育てる出版や編集者の仕事みたいなのが必要なのかもしれない。