OSS で下請け脱出はできないのじゃないか?

kurosakaさめの日記経由
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20051121/224911/
下請けであるというのは、それなりの構造的な理由があるはずで、その構造はOSSで打破できるようなものではないように思うな。それを作っているのは信用であったりするわけで、その実体は名前(ブランド)とか、実績とか、お金だったりする。
むしろ、誰でもどこでもOSSができるので、参入障壁が低すぎて「昨日解説本買いましたわ」というような奴に入札で負けて、PHP方面とか受注価格が崩壊してしまったような例も聞いたことあるけど。あと、見積もりにソフト製品の単価を乗せられなくなったりするから、売り上げ総額だけじゃなく、それに付随する荒利も下がって会社そのものが維持できなくなっていったりとか。
OSSだと、ソフトウエアがオープンで手順がシンプルになっているので仕様も読みやすく、随意契約が取れずに毎年入札になっちゃって、おいしいところが取れなくなってしまうとか。
あとは、オペレーションとかチューニングノウハウ、セキュリティ対策がコンサル的に重要なレイヤーとして仕事の質がシフトしているので、大規模案件には経験が少ないところほど入れなくなる。
荒利が減ったので、大手の下請けとしてやれる金額も減っていくので、OSSが自分たちの首を絞めているという現実を理解しているのだろうか。
使う人ではなくて、積極的に作る人に回って名前を売ってなんぼにもならないという世界の中で、下請けの人はそこから脱却できるのかというと実力勝負ってことになってしまうのでますますつらくなるのではないのかね。
OSSは、大手も普通に使う時代になっちゃって、もうそういう夢を描いて実現できるような時期は過ぎちゃったように思うので、こういうイベントで夢をあおってないで、現実的な手段を確立するような方法論を模索してほしいな。
そういう安い仕事で競争しないで、どっちかというと、OracleDB2がタダで使えたり、Solarisがタダで使えるというほうのOSSの圧力のほうが彼我の間を縮めるキーに思えたりするのだけど。
あとはWeb2.0チープ革命に便乗して、ローカルな仕事には目もくれず、世界を相手に度派手でチープなモデルを確立して売り出すか。それでも地方発というあたりでネタにはなっても、うまく立ち回れないので、きっと線香花火に終わるのだろうけど。
今の時期だと、ぐっでぃの前田社長に辛いとことを語ってもらいたいのだけど、そういう切り口だと無理そうだな。okdtにズバと切ってもらうってのもやさしいからやらないだろうし... kurosakaさめなら切るかね? 根津さんとか切りそうかも。小田切さんも切る? 荒屋さんならどを? wakatonoさめは切るかも。monyoさめは案外やさしくばっさり切るかも。ワイズノットの嵐さんって面識ないけど切るかな? でも、初期からのOSSな人はみんなやさしいからな...
でも、地方のインテグレータは、ゲームのルールが変わってしまったこともよくわかってないのかもしれないし。こんな程度でいいのかも。
地方でOSSやるなら、そのへんにノウハウの転がってないところ、まだあまり多くの人に目をつけられてない分野やソフトウエアに特化して突っ込んでいって、耐えて耐えて耐えて日本で第一人者になって、普及に骨身を削って、おいしいところはそれからいただくような感じのモデルでやらなきゃダメじゃないかな。でも、そういうのは日本の中小企業組織の文化の中でやるのは難しいんじゃないかと。出来る人はもうはじめちゃっているし、個人や若いものの力がものをいう既存の利権の枠組みをハンマーで壊すような勢いがないと出来ない世界なのだし。残っている分野はたくさんあるのだけど、比較的楽に入れるところはもうなくなってきて、業務知識がモノを言うようにはなってきているので、チャンスがないとはいえないけど。