コイズミ・チルドレン

NNNドキュメントで「ネットカフェ難民 漂流する貧困者たち」をやっていて途中から見た。

社会のあちこちで目に付く格差の広がり。生活困窮者を支援するNPO生活保護ケースワーカーの間で最近話題になっているのが“現住所・ネットカフェ”という若者たちだ。「完全個室・宿泊可」と書かれたネットカフェ。東京だけでなく、大阪、仙台、札幌、北九州などにも孤独な宿泊者は存在する。ネットカフェといってもリクライニングシートがついた優雅なものではない。狭い部屋で堅いイスにひと晩中座ったまま何ヶ月も眠る。バイトを転々として食いつなぎ、健康や将来の不安を抱えながら希望が見つからない若者たち。その実態を追う。

溜めがないので日払いの仕事しか取れず、コインロッカーに家財を詰めて、携帯だけを命綱に番号で呼ばれて人間扱いされない日雇い派遣に出、終わってもネットカフェで熟睡できない人たち。20年くらい前の山谷の日雇い労働者よりひどい。これがリアルなコイズミ・チルドレンなんだろうな。
でも、いつ、あのレベルに落ちてもおかしくないのが、今の労働者の基本的な恐怖感ではないだろうか。
彼らはどうして酒や水商売や性産業に落ちないのか。また浮浪者への道を行かずに最低限の生活に留まろうとするのか。携帯電話への過大なコストは命綱であるとともに自分を縛っている縄であることはどう思っているのだろう。
仕事はいろんなところにいろんなレベルである。少なくとも今よりはマシな生活もそこにはある。都会育ちだから、それ以外を知らないのかな。彼らの中に楽観とたくましさがないのはどうしたことだろうか。