『ヴェニスの商人の資本論』

これまた懐かしい本だ。

ヴェニスの商人の資本論 (ちくま学芸文庫)

ヴェニスの商人の資本論 (ちくま学芸文庫)

こっちはハードカバーで絶版かな。
ヴェニスの商人の資本論

ヴェニスの商人の資本論

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070219/127884/?P=2

岩井氏は,この本の中に収められた「キャベツ人形の資本主義」というエッセイの中で,資本主義社会における人間のモノに対する欲望はどこから生まれてくるのかを考察している。(中略)
キャベツ人形がヒットした理由については諸説ある。(中略)しかしそれらの説を岩井氏は紹介した上で否定し,それはモノをモノとして所有するためではなく,モノを持つことによって他者に認められたいという社会的な欲望を満たせるからだ,と見る。さらに,この社会的欲望には「他人を模倣して他人と同一の存在であると認めてもらいたい模倣への欲望と,他人との差異を際立たせて自己の独自性を認めてもらいたい差異化の欲望との二つの形態がある」(本書 p.73)。

企業の側の新商品導入による利潤創出の要請と,消費者の側の新商品購入による差異化への欲望とは,お互いがお互いを必要とする相乗作用によって,差異化と模倣の反復の速度を加速度的に上昇させていく。そして,この反復の速度が光の速度に接近する漸近線上に,われわれは再びあのキャベツ人形を見い出すのである。

なんか輪読会で読んだような気がするぞ。