age++

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080530/152628/

民生エレクトロニクス製品を手掛けるベンチャー企業は一般に,ソフトウエアやサービスを提供するベンチャー企業に比べ,立ち上げに必要な資金が1ケタ以上大きくなるため,米国でも成功が難しいとされてきた。日本ではさらに難しい。ベンチャー向け資金の供給が限られるうえ,優秀な組み込みソフトウエア技術者が大手企業に囲い込まれており,採用が難しいからだ。

そうでもないと思う。
ホームルーターから爆発的に発展したSoCやFPGA、ハードウエアの設計と量産を委託できるEMSなんかを見ていると、ハード開発のハードルは金額や量産数で数桁は楽に下がってきていると思うし、すでにそのようになっていると、宴会やセミナーの場で主張してきた。
ソフト面でもOSSをベースにしたLinuxと組み込みキットと、その知識が見られるところに出ているという点で、この数年で大きく変化していると思う。進歩は急速なので、大企業に囲い込まれているソフトな人でも、AV家電まわりの人以外はもう古い技術しか持っていないのではないだろうか。Linuxベースの組み込みノウハウの集積からすると、実地ベースのバッドノウハウ以外は、新しく学習する人のほうが速く環境に慣れるのではないだろうか。
ハードが高度化して、チップ貼るだけのリファレンスからあまり変わらないものしか作れなくなってきて、差別化要素はファームウエアに移り、その牽引役はインターネットインフラの上に乗ったLinuxになるという10年前の予想はほぼ当たっていたと思う。
モノを作って売るという行為の中にあるリスクは、品質に対する努力、市場不具合への対応、6桁以上の数を継続して作る場合のトラブル対応などという、日本のお家芸に収束していくように思う。
ネックの1つであった顧客へのリーチは、ネット環境が補ってくれるようになっている。
その中で記事中にあるような小規模ハードベンチャーが出てくるのは当然で、遅すぎるくらいだと思う。設立後一年たっても具体的なモノが出ていないというのは、スピードが遅すぎるくらいだ。
Flip-VideoやChumbyが成功しているかというと、資金面では成功なのだろうけど、ものづくりという視点では、まだまだ成功したうちには入らない。出した後、どれだけ継続できるかというのも重要な価値だと思う。
Cerevoさんには、新しい地平へ向けてがんばってほしい。
http://cerevo.com/


さて、次の10年には何が起こるのだろうか。
技術的には見えている部分もあるけど、使い方の点ではまだまだ見えていない部分も多い。
自分では、あまり何も成果を出さないまま10年が過ぎてしまったように思う。
最近、ほとんど隠居の気分だったというのもあるけど、今年こそ少し動けるのではないかと期待している。