日米間のWAN速度が15倍に!――日立が“長距離になるほど効果が出る”WANアクセラレータ

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では、日立WANアクセラレータでは、どのような仕組みでWAN最適化を行うのだろうか。技術面における1つめのポイントは、確認信号を待たずにパケットを送信する仕組みだ。通常のTCPの場合、送信パケットの到着を知らせる確認信号を待ってから次のパケットを送信しており、その間にパケットを送信しない待ち時間が発生している。この遅延時間の影響はWANの距離が長くなるほど当然大きくなり、「例えば日米間の通信では100ミリ秒以上の遅延が発生。従来のTCPでは限界がある」(日立製作所 中央研究所所長の長我部信行氏)。そこで日立WANアクセラレータはTCPプロトコルを独自に拡張、「確認信号を待たずにパケットを送信し、無駄な時間をなくしている」という。
2つめのポイントは、パケット廃棄の課題を解決していることだ。ネットワークが混雑してパケット廃棄が発生するとスループットも低下するが、日立はパケット廃棄の状況から空き帯域をリアルタイムに推計する技術を開発。「パケット廃棄率が上がっても通信速度を維持できる」と長我部氏は説明した。