COMPUTEXで見えてきたWindows 8/RTの光と陰

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/20120611_539333.html

 しかし、Windows RTに関してはそのアプローチを取ることは不可能だ。1つにはWindows RTは今回初めて立ち上がるプラットフォームで、標準となるBIOSもないし、GPUも、チップセットも、無線LANも、Bluetoothもすべてのドライバがないところから開発を始めなければならなかった。そこで、MicrosoftWindows RTを開発するにあたり、SoCを開発するベンダーとして3社(NVIDIAQualcomm、TI)を指名し、そしてOEMベンダーに関しても特定のメーカーを指名して開発を続けてきたのだという。前述の関係者によれば、今回公開した2社(ASUS東芝)のほかに、中国、日本、韓国のPCベンダーが指名されて開発が進められているのだという。そこにAcerの名前はないのだ。つまり、それが今回AcerWindows RT搭載マシンが展示されていなかった理由なのだ。

 ただし、Metro AppsはMetro UIの制限からくるいくつかの制約も有り、デスクトップアプリ版のPowerDVDなどで実現されている機能のいくつかが制限されているという。大きなところでは、PowerDVDにおけるBDの再生、DTCP-IPへの非対応が挙げられるという。CyberLinkの関係者はそれ以上は詳しくは教えてくれなかったのだが、現状ではMetro Appsからセキュアにビデオ出力をすることができないということが関係している。BDの再生にしろ、DTCP-IPにせよ、メモリ内のビデオを保護する仕組みがあるのだが、Metro UIの場合、まだこの部分が実装されていない模様だ。基本的にMetro UIではハードウェアを直接叩くことができないため、OS側でこの仕組みを実装しない限りはセキュアにビデオを出力することができないのだ。