「米国ではデジタル化の加速で違法コンテンツが減る」 小学館・集英社連合の米企業「ビズメディア」の首脳陣が語る

http://business.nikkeibp.co.jp/article/NBD/20120702/234034/?ST=pc

佐々木:先に述べた利点のほか、実は根深い問題が横たわっている。米国ではアニメや漫画の違法コンテンツが信じられないほど流通しているのだ。ファンのコミュニティの密度が濃く、日本で発行した瞬間に英語に翻訳されたものが公開されてしまう。少年ジャンプのコアなファンには現行の2週間遅れでの公開でも遅すぎる。コアなファンには満足してもらえないのだ。
 重要なのは彼らはお金儲けをしたい訳ではないということ。ただ、単に早く読みたいだけだ。我々のコンテンツをこの上なく愛してくれている貴重な人たちだ。そのためにも我々はローカライズを急ぎ、ファンに届ける努力を続けなければならない。

 フールーに日本の放送直後に字幕をつけてオフィシャル版として出すようにした。米国のフールーは日本と異なり広告収入で成り立たせている無料視聴可能なサービスを提供している。オフィシャル版をいち早く出すことでファンが違法に字幕をつけてインターネット上に公開するインセンティブが無くなった。違法な流通が激減したのだ。これと同じことを漫画でも実現できればと思っている。違法対策は取りつつ、オフィシャル版を時間的なタイムラグ無しに出す。こうした取り組みはグローバルで展開していかなければならない。