“高級扇風機”という新ジャンルを創った「GreenFan」ができるまで

http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column/newtech/20120709_543234.html
http://www.balmuda.com/jp/

 それらの会社には、ある共通点があることに気づきました。それは、「時代の波に乗った」ということ。それに乗らずに、大手と呼ばれる規模にはまずなれないと思います。日々仕事する、アイデアを出すことはもちろん重要ですが、時代の波に乗らないと、本当に強い成長には繋がらない。でも、波が来てから、車を飛ばしてその海岸に行っても遅いんです。どこに時代の波がやってくるのか自分の勘で決めて、最初からその海岸でパドリング(サーフィン用語。波に乗る前に手で漕いで準備しておく)して待っていなきゃいけないと思いました。

 我々のようなハードウェアメーカーはつい勘違いしがちなんですが、ユーザーが買うのはハードではなくてソフトです。ハードを買うことによって、得られる効果や効能に対してお金を払う。それこそを大きくしなくてはいけない。

羽根ができて、自分たちも浴びたことがない風でしたので、“これは会社を潰している場合じゃない”と。なんとしてでも商品化しなければいけないと使命感が湧きました。

 優れたアイデアやコンセプトは真似されるものだと思います。それに対して必要な場合は、しかるべき対応をとるかもしれませんが、なるべくならそこに労力をかけたくありません。時間も人も限られていますし。中国でも、グリーンファンの偽物はたくさんありますからね。それにいちいち対応しているよりも、もっとすごい新製品を作る方が、よほど利益になると思います。

 事業というのはアイデアを実現するためにあると思います。1個のアイデアがあって、これを実現したら、世界が良くなるんじゃないか、あの人に褒められるんじゃないか、という単純な気持ちです。でも、それを本当のことにするには、数々の困難があります。必要な場合はお金を持ってきて、必要な場合は仲間を集めて、実現させて世に問うのが、事業の本来の姿だと思うんです。だからこそコアになるアイデアがとても重要だと思います。何しろ、その実現のために人生の多くの時間を使うのですから。