AUTHOR'S INTERVIEW ママチャリ文化にみる日本の危機:世界最強の自転車メーカーGIANTに学ぶ

http://wired.jp/2012/07/17/giant/

また、自転車業界をどうやって引っ張っていくかを常に考えていることから、「自転車界のゴッドファーザー」とも呼ばれています。彼は「自転車という機械ではなく、自転車という文化を売っている」と、ここ10年くらいずっと言い続けています。ひとつの物事を成し遂げるのに、日本の会社は短期的な収益に目が行きがちですけど、彼は長期的に事業を見ている。そこにわたしは魅力を感じました。

どんなことをやろうとしても失敗は必ずあります。作ったモデルが全然売れないなど、GIANTもこれまで多くの失敗をしてきました。でも彼らに話を聞いてみると、そういった失敗は社内ではほとんど問題にはならないそうです。それよりもどんどん新しいアイデアを出して、新しい商品を作り出していかなければならない、という方に重きが置かれているんですね。
たぶんいまの日本の産業構造としては、物事に取り組む社員の行動に対してマイナス評価で考える傾向がだんだん強まっているように思えます。マーケットが縮小していくと、どうしても考え方が保守的になってしまって、チャレンジングな商品開発や事業展開を避ける傾向にあると感じます。
GIANTについては、赤字もいいと。失敗もいいと。製品回収もしょうがないと。とにかく、新しいもの、世の中の人たちの体裁に対してイメージを変えるものを作りなさいと。トップがそのようにブレていないので、下の方も思いきりやりたいことがやれるわけです。