マイクロソフトが設立わずか3年のストレージベンダStorSimpleを買収した理由は、Amazonに勝つためか

http://www.publickey1.jp/blog/12/3storsimpleamazon.html

同社製品の基本的な機能は通常のストレージと同様です。iSCSIでサーバに接続し、モデルによって2TBから20TBの容量の記憶領域を提供。キャッシュ用にSSDを内蔵しているため、ホットデータに対して高速なアクセスも実現します。

同社製品が「クラウド統合型ストレージ」と呼ばれる理由は、ストレージがクラウドと連係する機能を備えていることです。
例えば、ストレージ内のデータを定期的にクラウドへ自動バックアップする機能、ディザスタリカバリのためにアーカイブを作成して暗号化しつつクラウドへ保存する機能や、クラウド側のストレージを拡張領域とすることで仮想的に何ペタバイトでも保存できる容量制限のない超大容量ストレージとして利用する機能などがあります。

クラウドのストレージサービスを利用するには、専用のAPIに対応する必要があります。すでにAmazon S3はこのAPIで事実上の標準になっており、これをひっくり返すことは相当に困難です。マイクロソフトがこの状況を逆転させるには、クラウドストレージの利用方法そのものを大きく転換させる必要があります。
マイクロソフトはその有力な手段として、オンプレミスのストレージを簡単にクラウド対応にできるクラウド統合型ストレージに目を付けたわけです。
そしてオンプレミスのストレージに自社製品を採用してもらうには、たとえ無料であってもセルフサービスで手間のかかるソフトウェアを配布するよりも、簡単に設置できて性能も機能も保証しやすいハードウェアによるアプライアンスのほうが有利であると考えたのではないでしょうか。