Steamrollerが消えたAMDロードマップの変化と、次世代ゲーム機の行方

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/20121121_574241.html

 そもそも、AMDGLOBALFOUNDRIES離れの背景にあったのは、GLOBALFOUNDRIESの先端プロセスでのもたつきだったと言われている。GLOBALFOUNDRIESIBMを中心としたプロセス技術開発のアライアンスCommon Platformの一角だ。同社は、AMD向けにはPD SOIの32nmプロセスでAMDのBulldozer系のCPUとAPUを製造している。また、現在は、最先端のプロセスとしてバルクの28nmプロセスの生産も行なっている。
 しかし、Common Platformは最近、量産立ち上げで問題が発生することが多くなって来た。これは、IBMが先端プロセスでの量産立ち上げの「パイプクリーニング」に利用していたCell Broadband Engine(Cell B.E.)の製造が、32nmプロセス以降はなくなったためとも言われている。つまり、立ち上げ期に走らせて、プロセス側の問題をチェックするための手頃なチップがなくなってしまった。そして、複数の業界関係者によると、GLOBALFOUNDRIESの28nmプロセスも、立ち上げに苦戦しており、AMDのスケジュールに合わせることが難しい状況にあったと言う。
 一方、Steamroller系の製品がGLOBALFOUNDRIESからTSMCに移されるとしたら、ファウンドリ移行に時間がかかっていることを示している可能性が高い。ハイパフォーマンスCPUのようにカスタム回路設計が多い製品では、セルライブラリを置き換えるだけでは移行できないため、一般にファウンドリの移行に伴う物理設計に時間がかかる。また、AMDTSMC側で製造キャパシティを確保しなければならないが、TSMCの28nmには各メーカーが殺到しているため、キャパシティの確保は容易ではない。もし、TSMC 28nmにAppleのA6系SoC(System on a Chip)が来ていれば、もっと逼迫していただろう。

微細化競争はたいへんだわ。