スマートフォンと文字コード

http://www.itscj.ipsj.or.jp/topics/nl96_smartphone1.html

一方で,AndroidGoogle)を搭載する機種は,どれもJIS2004がサポートできていない.そこに含まれる法令に基づく文字,例えば人名用漢字常用漢字表に掲げられた文字のうち表示できないものが目立つ[5].

 調べた限りAndroid基準フォントは,日本語の漢字に関してはどれもシフトJIS時代の文字コード規格,JIS X 0208のレパートリを元にしており,その拡張版JIS2004は考慮されていない.実際に図2で表示できない漢字は,いずれもJIS2004の漢字であり,ISO/IEC 10646ではCJK互換漢字の領域に収録されている.
 先に大幅に収録文字数が増やされたと書いたDoroid Sans Fallbackも,追加した漢字は主にISO/IEC 10646のCJK統合漢字拡張Aだ(6,582文字追加).たしかにこの領域にもJIS2004の漢字も含まれている(例「㞍」U+378D,「䀹」U+4039等).その意味では以前よりJIS2004のサポートは進んだと言えるのだが,拡張Bまではサポートしていないので,そこに収録されている「𠮟」等は,相変わらず表示できないままというわけなのだ.
 以上をまとめると,Android基準フォントでは,JIS2004のレパートリのうち,ISO/IEC 10646のCJK互換漢字,CJK統合漢字拡張Bのサポートが不足しており,結果として常用漢字表に掲げる漢字や人名用漢字がすべて表示できない.