JASRACの審決取消で、新聞が書かなかったこと。 〜キーワードは、デジタル技術活用とガラス張りの徴収分配

http://yamabug.blogspot.jp/2013/11/jasrac.html

僕が代表のBUGコーポレーションという会社もJASRAC正会員になって、10年以上になるけれど、不満はある。例えば、コンサートもカラオケも同じ「演奏権」という区分にして、25%という高い手数料を取っている。カラオケ店が乱立していた頃ならいざ知らず、今は通信カラオケの時代で、第一興商とエクシングの二社の寡占状態だ。片田舎のカラオケスナックでの使用料が徴収できなくてもよいから、手数料を10%以下に下げて欲しい。まして、コンサートにおいては自社が「著作権使用者」側になることも多く、自社のリスクで、所属アーティストがコンサートをやっているのに、JASRACに払う著作権使用料から25%の手数料が取られるのはあまりに理不尽。CDよりライブエンターテインメントの比重が高まっている昨今、手数料改定がされなければ、演奏権をJASRACから引き上げ、自己管理する音楽事務所が出てくるだろう。特に海外来日アーティストの問題提起がきっかけで、日本のコンサートにおける著作権使用料は増額している。高率の手数料は納得がいかない。

 実は、本件の問題点、放送局の著作権使用料の包括契約については、解決の道筋は見えている。キーワードは「デジタル技術を活用したガラス張りの徴収分配」。2009年設立のCDC(著作権情報集中処理機構)を中心に、NTTのオーディオフィンガープリント技術を活用して、放送で使われた楽曲をサーバーに貯めて、クローリングを行って、全曲を割り出してのデータ制作が始まっている。CDCを中心に、NTTDATAなどが協力をして、全曲データを作成、分配データには使用されている。近年は精度もあがり、データ量も増え、かなりの確率で、楽曲が特定できる。放送局からの使用報告が簡単になり、正確な使用データができるのだから、一石二鳥だ。