国内TVメーカーにはどう見えるのか? 工学院大が“真の超解像技術”で4K映像を8K化

http://eetimes.jp/ee/articles/1310/24/news064.html

 同グループが開発する独自超解像技術について合志氏は、「従来の理論限界値を超える高精細化を実現する技術であり、これまでにない鮮明な高解像度画像を生成できる」と説明。非線形信号処理を施し、ナイキスト周波数*)を超える高精細成分を作り出す技術だという。合志氏は、「一般的な高画質化処理に用いられるエッジ強調処理とともに映像信号に、ひずみを与えることで、元の画像に存在しない成分、すなわち、ナイキスト周波数を超える成分を作り出し、高解像度化を実現している」とする(詳細な技術説明は上記関連記事を参照)。

http://eetimes.jp/ee/articles/1212/19/news019.html

 ナイキスト周波数とは、アナログ画像をデジタル画像に変換する工程で標本化を施す際、サンプリング周波数(標本化間隔の逆数で、解像度に相当する)の1/2に相当する周波数である。元のアナログ画像の周波数成分のうち、ナイキスト周波数を超える成分は、再生時に元の信号として忠実に再現できない。これは標本化定理としてよく知られている。逆に、もしナイキスト周波数を超える成分を何らかの手法で再生できれば、サンプリング周波数を高めたのと同じ効果が得られるわけだ。
 合志教授の研究グループは、拡大後の映像信号に簡単な非線形信号処理を施すことで、ナイキスト周波数を超える成分を再生できることを確認した。具体的には、映像信号を2系統に分割し、一方の低域成分をカットした上で3乗し、さらに強度を調整した後、一定値以下に収まるようにリミッタをかける。その上で、分割したもう一方と足し合わせるという処理だ。この処理の出力信号には、入力の映像信号には含まれないナイキスト周波数を超える成分が含まれる。映像の被写体をカメラで捉えた元々のアナログ画像に無い情報を作り出せるわけではないが、デジタル映像の拡大後の解像度を高める効果が得られるという。なお、この非線形信号処理の詳細については、論文で既に発表済みである(関連論文)。