Shift│第1回 ICT教育の未来をつないだ、ひとりの中学生 〜自分のエンジンで探求できる生徒を育む〜 [1/5]│ベネッセ教育総合研究所

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「学びのリテラシー」は、その名の通り探究心を持った生徒たちが、自立した学習を進めるのを手助けする授業で、例えば「インタビューをする際にはどんな質問をすればいいのか」や「アンケートはどのように行い、どう集計すればいいのか」といったことを教えている。この授業の構想は、大山副校長がまだ千葉中学創設に関わる委員会にいた頃に出てきたという。文部科学省からは生徒達の言語能力を高めなさい、思考力と判断力を高めなさい、表現力を向上させなさい、と指導を受ける。県からは「いずれは、世界に出て行く人材を育てなさい」と言われる。「しかし、学校の現場を見渡してみて、実際に生徒達がそういった表現力や発表能力を高められる機会が本当にあるのかと思った」と大山氏は振り返る。

「人には飛行機のエンジンを積んでいる人と、そうでない人がいる。どういうことかと言うと、誰かに引っ張ってもらって滑空するグライダーと違い、エンジンを積んだ飛行機ならば、自分でどこからでも飛び立つことができる、ということ。そうしたエンジンをつくる上で一番大事なのは興味と関心。これが何よりもエネルギーになる。生徒たちの中には、エンジンを積んでいるだけでなく、すでに飛行計画まで立てられる者もいる。中学高校の間に、生徒たちがここまでできれば私は満足だ。そうすれば、卒業してどこの大学に行ってもらっても構わないし、好きな方向へ飛び立ってもらえればいい。もちろん、すべての生徒が自力で飛べるエンジンを持っているわけではないが、今後、エンジンを持ち、燃料も自分で調達でき、飛行計画を立てられる人が少しずつ増えてくれば、日本の将来にも期待できる」