AMDが目指すアンビデクストラス・コンピューティングの理想と現実

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 この意味合いは後述するとして先に進もう。2016年以降のタイミングで、AMDは独自設計の64bit ARMを投入する。すでにAMDはARMよりARM v8Aのアーキテクチャーライセンスを受けたそうで、これにより独自の設計が可能になった。ちなみにこの新しい64bit ARMコアに、AMDは“K12”という名称をつけていることも明らかにした。

 では現実問題として、Project Skybridgeはなんのためにあるのだろうか。それは、「これまでx86サーバー向けに拡張カードアクセラレーター類を提供してきたサードパーティーに、ARMに移行してもらうためのプラットフォームを提供する」点にある。

 AMDの場合、K5以降は基本的にメインストリーム向けCPUに“Kxx”の番号が振られてきたのはご存知の通り。Phenom IIがK10、Llanoに入っていたのがK10.5で、AMD FXのBulldozer/PiledriverがK11、Kaveriに搭載されたSteamrollerがK11.5相当になり、本来だとExcavatorがK12相当になるはずだった。

 ところがこのK12をARMコアに振ったというのは、つまりメインストリーム向けコアがARMになるという意味であり、逆に言えばExcavatorの存在そのものがかなり怪しくなっていることを示す。実際AMDの体力でx86を2種類とARMを開発するのはかなり無理がある。