アマゾンがザッポスの「退職ボーナス制度」を取り入れた理由

http://www.dhbr.net/articles/-/2656

この制度を受ける機会は年に1度提示され、初年度の支給額は2000ドル。その額は上限の5000ドルになるまで、毎年1000ドルずつ上積みされていく(注:告知文の冒頭には「このオファーを受けないでください」と書かれ、退社を奨励しているわけではないことが示されている)。

 第一の(そして最も明白な)理由は、「不満のある社員は会社のためにならない」ということだ。ベゾスが手紙に書いたように「長い目で見れば、社員が不満を抱えたまま働き続けることは、社員自身にとっても会社にとっても健全ではない」のだ。

そこの社員にとって年に1度の退職ボーナスの提示は、会社と同僚に対してコミットメントを新たにするかどうか、じっくりと再検討するいい機会なのだ。言い換えると、この制度は社員が毎年会社を査定する機会でもある。彼らは「この会社で、この部署で、この同僚たちと、仕事をしていない自分が想像できるだろうか?」と自問する。退職ボーナスを断って会社に残ることをみずから選んだ社員は、その決断によって仕事への意欲と会社への帰属意識を強めることになる。