“ビーコン”は儲かる アプリックス 代表取締役 兼 取締役社長 郡山 龍氏

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/INTERVIEW/20150318/409840/?rt=nocnt

―2010年当時から、今のようなビジネスを考えられていたと。
 はい。当時から、特許をかなりその周辺で出してます。僕らはBLEの仕様を見たときに、Advertisingだけで動作するもの、って捉えたんです。そこから、ずっとそのことを研究していて、関係しそうな特許はタイムリーに出しています。例えば、Advertisingって下り一方の通信だけでやり取りをするのですが、その場合、相手に到達したことを確認する方法だとか、照明の制御のためのパケットを一斉同報で投げると、そのパケットの暗号化データが解けるグループの照明だけ点く仕組みだとかを考えました。また、ブロードキャストを中継していく仕組みも考えました。

ほかのとこも含めて、ほんとによく考えているな。

いろいろと考えたときに、「あ、これならありかな」と思ったのが、加湿器が「加湿した方がいいんじゃないの」って言ってくる、というものです。「部屋が乾燥してきたから加湿しようよ」と言ってきて、それを受けて加湿器を遠隔操作するとか。例えば電気を消したときに、加湿器から静音モードに移りましょうかって言ってきて、ユーザーは「お願い」って答えたりとか。そういう、オンとかオフを促してくれるのは、ありなんじゃないのかなっていうふうには思っています。

これこれ。

 最近だと、ペットのトイレの反応もすごくよくって。我々は、最初、ペットのトイレのシーツ交換とかそういうのだけが受けると思っていたんです。ところが、行く頻度とかが分かるから、「今日は全然おしっこしてないんで脱水症状なんじゃないの」とか、逆にトイレに頻繁に行ってるから、「お腹を壊してるんじゃないの」とか、それも全部分かっちゃうというんです。自分たちが想像していた以上に、そういう生活の中で機器が自分に情報をくれるというのはすごく役に立つというのが分かってきました。

これこれ。
話しちゃうのはトップランナーの貫禄だなぁ。

 例えば、こんな使い方ができます。コーヒーメーカーの動きから朝の出勤前だと分かれば、「電車が遅れている」とか、「高速道路が混んでいる」といった情報を出してみる。洗濯機から洗濯が終わったという通知がくれば、それと一緒に「3時間後に雨が降りますよ」「今日は天気がいいので外干しに最適です」という情報を教えてくれる。ユーザーにとって有益な情報を発信していけば、ユーザーがどんどん使ってくれるようになるはずです。

 結局コーヒーメーカーを作っている会社もビジネスを拡大するためには、いかに購買につないでいくかっていうことが大事になってきています。最終的には、コーヒー豆を売るとか、ミルクを売るとか、コーヒーカップを売るとか。だからユーザーが楽しんでアプリを使ってくれないといけない。そこでサーチエンジンを使って、とにかくWebに豊富にあるコンテンツから、ユーザーにうまくマッチするものを出していって、10回か20回に1回ぐらいちょっと広告ぽいものを出すようにしてます。実際に実験しているのは、朝、交通情報を出して電車が止まっているんだったら、(タクシー配車サービスの)UBERのリンクを出す、みたいなものです。ユーザーが、「えっ!電車止まってるの、あっUBERのリンクがあるから使ってみよう」ってなれば、我々はクリック広告や、アフィリエイトにつなぐことができる。

これはどうかな…

 今回のビジネスってリカーシブ(再帰的)に出てくるんですよね。設置が増えれば増えるほど、交換フィルターの売り上げは増えるし、さらに年数がたてば、2回目、3回目の交換が始まる。レベニューシェアの金額はモジュール販売に比べて圧倒的に大きいんですよね。3ドルのモジュールを売ったとしても、レベニューシェアが5ドルとか10ドルだったりするので、2、3回まわすと、もうモジュールの値段どころじゃない収益になっちゃうんです。