脳内に記憶の保管庫 東大がマウス実験で特定  :日本経済新聞

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG09HB7_Z00C15A9CR8000/

 東京大の河西春郎教授らは、脳の記憶が神経細胞のごく一部に刻まれていることを示す証拠をマウスの実験で見つけた。学習を重ねると神経細胞から突起が伸びてくるが、脳に光を当てて突起を縮めると記憶が消えることが分かり、突起が記憶の保管庫であると結論づけた。記憶の仕組み解明や認知症の治療法開発などに役立つとみている。

 脳は神経細胞のネットワークが複雑に入り組んでいるが、どこに記憶が蓄えられているのか詳細は謎だった。研究チームは神経細胞が枝分かれした部分にあるスパインという突起に注目した。
 マウスを回転する太い棒の上に乗せると、落ちないこつを学習して長くとどまるようになる。脳の中ではスパインが伸びたり、新たに生まれたりしていた。
 脳に人工遺伝子を組み込み、青色の光に反応してスパインが元の長さに戻るようにした。学習したマウスに青色の光を当てると、棒からすぐ落ちるようになり、伸びたスパインに記憶を収めていたことが分かった。