Deep Learningの実力と限界、人工知能のロードマップ « Emerging Technology Review

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つまり、Deep Learningが使えるのは、データが大量に揃っていることが前提となる。これはロングテール問題といわれ、世界の殆どはテールの部分で、Deep Learningを適用できる領域は限られる。

新たなTuring Testが開発されている。これはコンピューターの機能を多角的に試験するもので、「Turing Triathlon」とも呼ばれる。その一つがコンピューターの常識と知識を試験する「Winograd Schema」。コンピューターに簡単な質問を文章で提示する。
質問内容は驚くほど簡単だ。上の写真がその事例で、「トロフィーが大きすぎるので、カバンに入らなかった。何が大きすぎたのか。」という質問。この問いはコンピューターにとって難問となる。質問は特殊な構造をしており、言葉の順序など、統計情報から回答できないように工夫されている。対象物が二つ (トロフィーとカバン) 登場し、それが代名詞 (IT) で結ばれる。質問に回答するために、コンピューターは知識と常識に基づく判断が求められる。最初のコンテストが人工知能学会「Commonsense 2015」で実施された。この事例が示す通り、多くの人工知能は、簡単な判断をするまで成熟していないことが分かる。人工知能を搭載したロボットと生活するのは、もう少し先になるのかもしれない。