伝説の“大泉サロン”秘話から、名作『風と木の詩(うた)』『地球(テラ)へ…』を生み出すまで 竹宮惠子さんインタビュー【前編】 | ダ・ヴィンチニュース

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伝説の“大泉サロン”秘話から、名作『風と木の詩(うた)』『地球(テラ)へ…』を生み出すまで 竹宮惠子さんインタビュー【後編】 | ダ・ヴィンチニュース
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「20年以内にこの業界を変える」という目標を掲げた大泉サロンの面々だったが、70〜80年代にかけて少女マンガの人気は拡大、竹宮さんのSF作品『地球(テラ)へ…』も80年にアニメ化され、女性だけではなく男性ファンも増えて、社会的な影響力も増していった。そうした大泉サロンが持っていたような熱気やムーブメントは今もあるはず、と竹宮さんは言う。
「でもやっぱりひとりでは無理で、何人か固まる人がいないとムーブメントっていうのは起きない。何かを起こしたいなら、いろいろ要素を集めないと出来ないんです。今は音楽の世界がそうですよね。作曲も、作品を発表することも、パソコン一個で出来てしまう。そういう人たちがたくさんいます。マンガもきっとそのうち、そういう事態が起きるんじゃないかなと思ってるんですよ」
 絵が描けない人がソフトを使ったり、フリーの素材を取り込んで絵を動かすことでマンガを作る時代が来る――京都精華大学で後進の指導にあたっている竹宮さんは、新たに創設される「新世代マンガコース」というコースでそうしたことを視野に入れていきたいと話す。
「ムーブメントを起こそうと思えば、可能性はいっぱいあると思います。昔のマンガのように出来ないからとか、今のマンガはちょっとつまらないねとか、それは媒体自体の問題なのかもしれないですよね。違う形で新たなヒットが生まれるということも絶対あるはずで、誰がそれを探し出すのかというだけのことだと思うんです。誰かが描き方や発表の仕方を考え出して、それにわーっと乗っかる人がいたら、それはもうひとつの時代を作っちゃうんだと思います」

「誰も、他の人が発明したものを真似しちゃダメ、とは言わないってことなんです。マンガっていうのはそこがすごいんだ、って私は思ってるんです」