蓄電・発電機器:熱源に「貼るだけ」で発電するシート、積水化学が2018年度に製品化へ (1/2) - スマートジャパン

http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1604/20/news045.html
おお、21世紀感ある。

 CNT温度差発電シートは、異なる2つの半導体や金属に温度差を与えると電力が発生する「ゼーベック効果」を利用して発電する。ここでポイントとなるのが「異なる2つの半導体」でなくてはならないという点だ。
 半導体には正孔が多くプラスの電荷を持つp型半導体と、電子が多くマイナスの電荷を持ったn型半導体がある。CNTは一般にp型半導体的な極性を示す。そして簡易にもう1つのn型半導体の特性を持たせるのは難しいとされていた。しかしNAISTがこのほど塩化ナトリウムとクラウンエーテルを用いてCNTを安定したn型半導体として生成する手法を発見し、CNT温度差発電シートにはこの技術を活用している(図2)。また、鉛、テルルといった毒性物質を全く含まないため、環境親和性も高いシートになっている。

カーボンナノチューブ温度差発電シート」実証実験開始について|新着情報|積水化学
https://www.sekisui.co.jp/news/2016/1282221_26476.html
積水化学、CNT使った温度差発電シートをサンプル出荷 (ニュースイッチ) - Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160420-00010002-newswitch-ind

 CNTは炭素でできた極細のチューブだ。1991年に飯島澄男氏(現名城大学教授 NEC特別主席研究員・産業技術総合研究所名誉フェロー)が発見した。理想的な単層CNTは比重がアルミニウムの半分で強度は鉄鋼の20倍、電子移動度はシリコンの約10倍で、流せる電流量は銅の1000倍、熱伝導性も銅の5倍以上。現在、事業化されている多層CNTはCNTの中に何本ものCNTが入ったもの。
 夢の材料が普及しない理由は既存の炭素材料とのコスト競争だ。カーボンブラックが1キログラム当たり3000円以下で、製造しやすい多層CNTは同2万―3万円、単層CNTは同1000万円程度とされる。産総研は単層CNTの生産コストを1000分の1に抑えるスーパーグロース法の開発を進め、ようやく昨年、日本ゼオンの量産工場が完成した。キャパシターは日本ケミコンが16年度に実用化予定。日本ゼオンも16年度中にCNT応用製品を発売するという。車載用電池、半導体関連、構造材などでの実用化が期待される。