米軍の軍用ドローン、操縦者不足 「安全」なのになぜ? パイロット精神蝕む2つの問題 (1/5) - ITmedia ニュース

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1601/20/news061.html

 空軍のドローンパイロットの多くは、ネバダ州ラスベガス近郊のクリーチ空軍基地に勤務しているとされる。時には1日約12時間も複数のコンピュータースクリーン画像を監視し、敵を発見し、上司の「ミサイルを撃て」という冷たい声の命令で画面上の人を殺す。
 とはいえ、これは冷暖房の効いたオフィスでの仕事だ。ドローンパイロットは仕事が終わると、基地のガレージに停めていた愛車に乗り込み、近所のスーパーで買い物をして帰宅。夕食を食べ、テレビ番組を見ながら家族との時間を過ごす。そして翌朝はまた画面の中の戦場に戻る−。
 こうした「日常と戦場の短期的な往復」が精神的に耐えられないのだ。
 米ニューズウィーク誌は「毎日人を殺しては牛乳を買って家に帰る異常さ」という見出しで、ドローン操縦者の精神的苦痛を表現している。
 戦場には誰もが否定できないルールがある。「殺さなければ、殺される」。敵に向けて銃弾を放つ“殺人”の苦悩を解決する、最もプリミティブで分かりやすい自己正当化だ。しかしドローンパイロットは、このルールで自分を慰めることができない。自分は100%安全なオフィスにいるのだから。