日本のインフラが危ない(上) 東京五輪に備えた大量整備から50年 「物理的な崩壊」が日本列島を襲う ――東洋大学経済学部 根本祐二教授|DOL特別レポート

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 2010年、神奈川県藤沢市は公共施設マネージメント白書を公表した。市のすべての施設を対象にしてストック情報、利用情報や費用の内訳を網羅したものとしては、日本で初めてのものであった。特に、それぞれの施設の構造、面積、建設年月のデータは有効だった。「崩壊」を避ける具体的な知恵を探していた筆者は、この情報をもとにして将来の年別の更新投資金額を予測した。

 その後、筆者がセンター長を勤める東洋大学PPP研究センターでは、過去の投資実績データさえあれば、簡単に将来の更新投資予測金額を計算できるソフトを開発し、WEB上で無償で提供している。さらに、総務省の外郭団体である財団法人自治総合センターが、このソフトの基本構造を用いてさらに精緻化したバージョンを開発して、11年4月には全地方公共団体に送付している。