技術書典3に薄い本出しました

いままで技術書典には開催趣旨に反して本は出さない感じで、VRゴーグルとかストローで組み立てるC60キットとかやってきました。
が、なんか一日ちょっとでネタができて、あんまりWebに書けるようなネタでもなかったので、薄い本にしてみることにしました。


印刷屋に出すにはコスパがよくなかったし、おそらく頒布に参加してくれるような人はゼロ人というニッチネタでしたので部数も少ないため、自家製本にしました。急に思い立って時間もなかったということもあります。
事務局に発禁措置をくらいかねない内容であったりしたので、全損になってもダメージ少なめにという狙いもあります。

アプリ

使ったアプリはPages。
それもOSの都合なんかで、だいぶバージョンの古いものです。
前に、イベント用にCardboardアプリを作る薄い本を配布したことがあるので、A5での書式のテンプレートは作ってありました。その時は、ただのホッチキス綴じだったのであんまり工夫はないのですが、そのまま使用。
miで書いた中身を流し込んでレイアウトするだけです。ページ数も少ないので目次もなし。

用紙

用紙は、いくつか試した上で、白がきれいで厚みがある程度あるTOUHOKUのコピー用紙を使ったのですが、黒文字で両面刷ると透けが気になります。前回は印刷コストが安かったので、文字はグレイにして透けを防止したのですが、今回はプリンタの変更で印刷コストが高くなってしまったので透過率を変えることで色を落としました。しかし、白黒を選択してプリントしても、いろんな色を使って印刷しているようで、思わぬ色のインクが減って、夜中にスーパーにインクカートリッジを買いに走ることになりました。
あとは、今のプリンタは、この用紙だと紙送りで二枚出てくることがあって、チェックが全数で泣けてきました。事前に空気吹き込んでやっても結果に変わりはありませんでした。

印刷

古いPagesには、ページ番号を表示しないページを作る機能はないので、作ったデータを2つに分けて、ページ番号の入る本文とそれ以外分割にしました。
プリンタには両面印刷の機能はないので、部数を決めて手差しで両面印刷しました。
部数の決定は、ビニ本にしようと思っていたので、ラッピング用の糊付き透明フィルム封筒のロットの倍数に合わせました。

綴じ

表側の見返し用紙にはステープラーの針の位置を三ヶ所印刷しておきました。
ステープラーの針は、普通のものだとあとで錆びてくるので、ステンレス製の針を使いました。普通のものより硬さもあるので貫通力が強いです。
ステープラーは、30年くらいまえに自営の時に買ったフラットクリンチの初代のものを使っています。樹脂は変色していますが、今でも普通に使えます。

表紙

さて、表紙が問題です。プリンタを変更したので、A4までしか印刷できません。リーガルサイズが、A4よりわずかに大きく、ギリギリでA5二面と厚さの印刷面をカバーできそうだったので、これで行くことにしました。
在庫の100均の色画用紙があったので、全数同じ色にはならないのですが、それもいいかということで、これを使うことに決めました。
サイズ的にはそのままプリンタに入らないので、リーカルの短辺に合わせてカット。
一枚ずつ手差しで印刷しました。

筋つけ

表紙の筋つけですが、以前は手芸用のヘラでやったのですが、行方不明なので100均で手芸用のヘラを買ってきました。しかし使ってみると、2枚ほどで磨り減ってエッジがなくなってしまいます。さすが100均クオリティ。
千枚通しでは画用紙相手には強すぎて切れてしまうので、以前ノベルティでもらったペーパーナイフ兼定規の三角形の金属のものをエッジをやや潰して使いました。
印刷時に薄い下線を入れてあったのですが、グレイにしたので見にくく作業効率はイマイチでした。

合わせ

ステープラーでとめた本文と表紙の接着は、お手軽に両面テープにしました。一応、速乾の木工用ボンドも買ってありましたが、乾燥に時間がかかるので、ギリギリのスケジュールに向かないので使いませんでした。
100均で一番細いものが1リールでだいぶ余りました。

化粧断ち

化粧断ちは、スチール定規とカッターマット、アートナイフで手でやりました。
手持ちのカール事務器の裁断用のカッターは、10枚までしか対応していないので、今回は使用を断念しました。下押さえマットの消耗品がだいぶ弱くなっていて、薄いものはきれいにカットできないという点も見送り理由です。
手作業になったので、仕上がりにはややむらがあります。


100部程度であれば、手作業でも十分に買ってもらえる本が作れると思います。
技術書典後に、50枚が切れる裁断機を新調したので、次回からはこれが活躍してくれると思います。
もし、次回があれば、筋つけをもっとスピードアップできる治具を作りたいと思います。